キスして☆イケメンな彼
私は分からないまま迷路のような道を歩いた。
けれども私の知っている通路が現れることはなく……。
「わ~…どうしよう。由香里~ごめんねぇ~」
私はトボトボと歩いた。
到着のない道を。ゴールのない世の中を。
メガティブ思考になっていた。
そのときだった。
ドンっと少し激しい音がなり、私は地面に押し倒されるかのように倒れた。
「な、何?」
私はそうっと目を開いた。
耳ピアス。口ピアス。鼻ピアス。
パンチパーマ?!
恐怖と可笑しさが入り混じってその場から逃げることを忘れてしまった。
私は地面に手をつけたまま、立ち上がることができない。
さっきぶつかったからとかではなく…。
今の恐怖!!!
よく見るとそこにいたガラの悪い人たちは2人くらいだった。
すると1人の男が私の顔に近づけた。
私は一度身震いをした。
人見知り…とかじゃなくてただただ………。
怖い! 逃げたい!
この場から早く……。
「へぇ、案外可愛いじゃん」
すると、その男の手が私の頬に触っ……
「い"っでー!!!」
前にいた男は突然蹲った。
なに?
何?
何が起こったの?
私は少しずつ顔を上げていった。
そこにいたのは──────
「どう…して……」