キスして☆イケメンな彼
瞬きするのを忘れてしまいそうだった。
息をするのも忘れて死んでしまいそうだった。
でも、死んでしまってもいいくらい……
「龍之介…さま?」
私は前に変な男がいることも忘れて見つめた。
「へぇ。俺の名前知ってんだ」
にかっと笑いながらいった。
そういってその男にもう一度蹴りを入れた。
カッコいい!!
龍之介さまは私のために────。
前にいた男は降参した顔をしてゆっくりと立ち上がった。
「チッ。そんな女にも男がいたんだ」
ガツン。
鈍い音がした。
一瞬にして倒れこむ。
「お前、もう一回言ってみろや!!」
感情的になっている龍之介さまの姿があった。
なかなか見られない光景に少し胸が踊った。
しかし今はそんな状況ではなくて。
龍之介さまが男の襟をがっと掴んだ。
ヒイっと血の気のない男はその場から逃げ出そうとした。
思い切り一発、その男の顔に直撃。
「おい。ヤバイんじゃねぇか?」
そういったのは私に手を出していない残った男。
後退りをしていたもう1人の男もまとめて、殴りこむ。
「お前らいい加減にせぇ……」
怒りをぶつけていた。
私のために……。