キスして☆イケメンな彼


そしてまた歌が流れ始め、決して上手いとはいえない龍之介さまの歌が始まった。

今、聞こえるのはドラムとボーカル。

キーボードってありなの?

ギターが斬新な入り方をして…。

歌の口調も色んな場面ごとで音色を変えてくる。


確かに『他とは違う』。


音楽はあんまり授業に入らない。

授業で頑張るといってもそんなに成績に困らない。

でも知らないことは多い。

それは知らなくていいことだから。


そう思ってた。

さっきまでは。


でも、君の隣にいるには必要になるべき知識。



成績表に入らなくとも

必要なこと。



今までそんなのなかった。


有名高校に合格できなかった私は、1年の頃からこの学校に入学したことを引きずっていた。


親もそんな私に呆れたのか、扱いがまるで変わった。


だからせめて、成績だけは落とせなかった。



CDを聞いている時間もなければ、もちろんTVも見ない。

今、何が流行で一番流行っていることは何か。


知らない。


前に由香里と遊んでいた友達がレンズなしのメガネをしていた。

つけまつ毛にあたらなくて便利だからとか、そんな初歩的なことを述べていた。

何種類も持っているからといって見せてくれた。


黒縁が多くてたまに茶色とか黄色とかピンクとかがあって、その子には似合ってた。

由香里も同じく合っていて、私は残された気分になった。


大体私みたいな子が由香里と並んでいたら、ダメなのかな?




< 33 / 99 >

この作品をシェア

pagetop