キスして☆イケメンな彼
赤茶色の髪をした純平は少し嫌そうにしてもう一度立ち上がる。
すると隣にいたクールな、黒と青の混ざった瞳をした男子と目を合わせた。
さっきから無言で何もいう気配が感じられない。
でもアイコンタクトで男子たちは交わしていた。
男子はみな、仲がいい。
歳はまだ聞いていないけどみんな同じクラスで、ずっと一緒にいたかのような雰囲気をしている。
他校の女子と初対面な私と、幼なじみに近い男子たち。
私、不釣合いじゃないかな。
そんなことを考えていた。
いつの間にか届いていたジュースを私は手に取った。
というか取ってもらった。
「はい、幸乃ちゃん」
「あ、ありがとうございますッ」
龍之介さまだった。
少し長めの前髪が揺れる。
ドクンっと私の心を揺れる。
龍之介さまと同じ味のジュースを口にする。
さっきまでは
『来なければよかった』
とか思っていたけど、龍之介さまの笑顔一つで陥ってしまう。
私はストローを口にして飲み始めた。
甘かった。
すんごく甘かった。
カルピスってこんなに糖分入ってたんだっけ?
私の恋も、どうかそんな恋であってほしい。
「ゆ~きの!」
「…え」
私はカルピスのストローを口にくわえたまま、止まっていた。
由香里は“さぁくん”のところから一旦離れて、私の隣にいた。
「どうしたの。さっきからボーっとしちゃって」
心配そうに由香里はいう。
「えッ。嘘、ごめん」
私は慌てて謝る。
すると由香里は少し小さな声で耳元で言う。
「ごめんはうちの方。無理につれてきたから」
「ううん。違う」
私は顔を上げて由香里を笑顔で見た。
「ならよかった」
由香里も笑顔を見せてさっきの場所に戻った。
私もそろそろ誰かの隣、行かなくちゃ。
1人になっちゃう。