キスして☆イケメンな彼
「次、あたし?」
金色に近い茶髪の女の子。
私はすぐに『桜が丘』学園の生徒だと分かった。
「どうぞーッ」
そうしてまた軽い会話が流れるのだろう。
けれども、私はそんな気分にはなれない。
由香里のポジションが私の隣ということ。
私の隣が由香里ということ。
普通なのだけれど、今この場所では慣れていなくて。
「ダメだよ」
突然口を開いた由香里が言った。
「…え?」
ますます分からなくなる。
理解できなくなる。
「…ダメなんだよ?」
由香里が両手で握った。
「何が…」
途中で気づいた。
から言葉を止めてしまった。