キスして☆イケメンな彼
素直になれない 龍之介side
最近、自分のことが
自分で理解できなくなる。
合コンとやらが始まって
何時間が経過したんだろうか。
そんなことを考えていると、智が俺のほうに近づいてきた。
「よぉ、どうだ?」
とニッと笑ってみせる。
よく笑えるな、と思いながら俺も笑いを返す。
「どうだって何が?」
俺は少しとぼけたような、分からないような表情を浮かべる。
「何がじゃなくて…」
智は小さなため息をついた。
つきたくなるのはこっちだっつーの。
「こんなにいい女がたくさんいるんだぜ?」
言いながら周りの女子を見回した。
「…だから?」
俺は少し呆れたような顔をした。
すると智は俺に顔を近づけた。
「ちょ、何だよ」
智は小さな声で呟いた。
「お前は幸乃ちゃんだろ?」
……と。