キスして☆イケメンな彼
智のことだから、桜が丘の生徒の名前を言うかと思っていた。
けど、北共の生徒の名前をいうなんて……。
多分、“由香里”っていう女が北共だからだと思う。
「そんなんじゃねぇよ」
わざと智から視線をそらした。
すると智が少しニヤッとした表情を浮かべた。
俺は分かりやすい行為だったか、と後悔した。
「素直になれよ、龍之介」
ポンッと背中を叩かれ、俺の前を通り過ぎた。
なんなんだよ、アイツ。
俺は智の考えてることが理解できなかった。
すると、また合コンが再開したらしく盛り上がり始めた。
俺は手元に置いてあるガラスのコップを持った。
カランと音を立てたのは氷。
カルピスがなくなっていたので、席を立ちドリンクバーのあるところまで行こうとした。
席を立つと、
「あれ、龍之介どこ行くの?」
声をかけたのは
「カルピス、注ぎに行く」
桜が丘の美咲と呼ばれている女だった。