キスして☆イケメンな彼
急に顔が熱くなった。
だって突然、龍之介さまが
「…幸乃ちゃん」
って呼ぶんだもん。
龍之介さまと対面していた美咲も、私の方を見た。
慌てた表情を見せた龍之介さまは
すぐさま私のグラスに視線を落として言った。
「幸乃ちゃんのグラスも空だし」
ドクンドクンって鳴る心臓がうるさい。
顔が真っ赤かもしれないと不安になる。
でも…
一緒に行ってもいいかな?
と訊きたくて仕方ない私はなんだかうずうずしていた。
「注いでくるよ」
そう言われたのがチャンスだと思って
私は焦りながら立ち上がった。
「あ、じゃあ私も行きます」
そう言ったとき、龍之介さまの顔が少し綻んだ気がした。