キスして☆イケメンな彼
少し間が開いた。
「えー、いいんじゃない?」
と一人の女子が口を開いた。
「うん。私、このグループ好きだもん」
女子が口々に言う。
「そ、そっか」
私はそう言って引き下がることしかできなかった。
それに気がついた由香里が私に近寄った。
「ねぇっ」
他の女子に聞こえないようにするためだろうか。
空気みたいに小さな声で話しかけてきた。
「何?」
私は由香里より少し大きめな声を発した。
すると、由香里は
まるで私の心を見透かしたように
さっきまで思っていたことを次々に言った。
「なんでそれが分かったの?」
もう声の大きさは戻っていた。
「だって幸乃がチラチラ男子の方見てんだもん」
あ、と口を開けた。
「そこまでバレてたか」
と苦笑いをした私はチラっと男子方を見た。
「ありゃ、絶対機嫌悪いよね…」
不安そうに由香里が言う。
「だって、まぁね」
呆れたような声で私は言う。
「「どうしよう…」」
と二人の声が重なる。