キスして☆イケメンな彼
「何話してんの?」
二つ結びの髪が揺れた。
恵はニッとして、
「大浦くんと由香里ちゃんのこと?」
と悪戯っぽい顔して言った。
「え?!」
由香里も真に受けて、焦ったような驚いたような顔をした。
「お2人さんったら、もう熱いんだからー」
恵はさらにノッて来たようで、由香里と大浦智を交互に見て
またニッと笑った。
「ち、違うわよ~」
由香里は顔を真っ赤にしながら、
恵の前で両手を横に振った。
こんなに動揺している由香里を見るのは
久しぶりだった。
「あたしたち2人で話してんだよね、幸乃?」
恵は私の方を見て、微笑みかけた。
しかも、
『幸乃』って呼んでくれた。
「うん!」
私はなんだか嬉しくて、多分今日1番の笑みを浮かべた。
「て、てゆーかそっちの2人はいつからそんなに仲良くなったわけ?」
由香里は話題を変えようと必死だった様子で、尋ねた。
「えー?」
恵は、おどけたような顔をして私を見て
「「つい、さっき!」」
と私と恵は揃えていった。