キスして☆イケメンな彼
多分、恵は私が落ち込んでいるのに
気づいてたんじゃないかな…。
それで、励ますために…
遠まわしだけど親切な恵。
私が恵を涙目で見ている最中に、音楽が響き渡った。
「てか、またアニソンかよー」
と笑う敦。
「これはやっぱり龍之介か?」
茶化す智。
持っていたマイクを龍之介に渡す。
「他に歌える人いるー?」
恵がもうひとつのマイクをあげて言った。
―ドクン…
「あ、私歌えるっ」
右手を小さくあげたのは、
「幸乃…っ」
由香里が微笑み嬉しそうな顔をした。
「はい♪」
恵からマイクを受け取ると、画面に目を向け
最初の字幕を見た。