キスして☆イケメンな彼
ホッと一息ついて、私は腰かけた。
氷だけのグラスを持ち、頬にあてた。
すると隣に恵が来て座った。
「ふふ、どうだった?」
ニッと笑ってきいてきた。
「…どうって……。」
私はマイクをテーブルの上に戻しながら、
ごちゃごちゃの脳内を整理し始めた。
恵とすら目を合わすことのできない私は
龍之介さまの目を見ることすら
恥ずかしくてできない。
「いい思い出になったでしょッ」
恵はグラスにささってるストローをぐるぐる回しながら言った。
「まぁ、ね。歌詞はともあれ」
私もだんだん落ち着きを取り戻していった。
「カレカノっぽかったよ」
と恵がからかうように言う。
「ッ…、別にそんなんじゃ…」
私は慌てて、恵をおさえた。
「いいじゃんー」
「ダメなのー」
じゃれ合うようにして、言い合った。
…“カレカノっぽかったよ”
…そんなの、龍之介さまに迷惑でしょう…?