キスして☆イケメンな彼
安藤美咲は、さりげなく龍之介さまの肩に触れて
カラオケボックスを出た。
そのとき、チラッと由香里が私の方を見てきた。
「幸乃はそれでいいの?」
と訴えられているようなつぶらな瞳で。
「幸乃は今、なにもしないの?」
と問いかけられているようなまっすぐな眼で。
私を見ていた。
うん、うん、
わかってるよ。
自分に言い聞かせ、
無理やり納得させようとする。
でも、でも、
わかんないんだよ。
自分を責めて、
状況を把握しようとする。
そんな私が、
なんだかものすごく
醜く感じてしまうの。
ねぇ、恋するってこういうことなの?