キミと私の特等席
「最悪じゃん…」

ボールは休憩中のサッカー部のベンチの下。

しかも、ちょうど真澄くんの座っている真下。

「あの、真澄くん」

「ん?…あ、同じクラスの…」

「小川です」

「あ、小川ね。何?」

「テニスボールが真澄くんの足元に落ちちゃって…。」

真澄くんはベンチの下を覗き込む。

「これか?」

そして私にボールを手渡した。

「うん。ありがとう」

「お前テニス部なんだ?」

「一応ね。」

「頑張れよ」

「じゃ。」

ボールを受け取りくるりと後ろを向くと、女子!女子!女子!

しかも目線がかなりイタい。
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