キミと私の特等席
「ご機嫌いかが?小川さん」
ギャラリーの中にいた同じ学年の白坂真梨亜に声をかけられた。
ていうか、この空気。絶対「真澄くんになにか用事?」ってなるパターン。
「ちがうよ、テニスボールが真澄くんの下に落ちちゃって拾ってもらっただけだから」
私は真梨亜が言う前に急いで答えた。
「ならいいわ」
にんまりと不吉な笑みを見せる真梨亜。
こいつ、白坂真梨亜はギャラリーの頭。
周りに取り巻きたち。
やっかいなヤツだから私は絶対に関わりたくないタイプ。