キミと私の特等席
* * *
「ちょーっとお!」
部活に戻るとすぐさま菜月が飛んできた。
「なによ?」
「そのボール!!」
菜月は私が手に持っているテニスボールを指差した。
「あぁ…菜月もギャラリーだもんね」
「ちょっとなによギャラリーって!ゴルファーじゃあるまいし」
確かに…そうだけど
「これ、拓也が触ったんだよね?」
「ん~まあ」
菜月の目がいつにも増して光っている。
「いいよ、あげる」
私は菜月にボールを手渡した。
「きゃー吐血ー!これを拓也がああ!」
「菜月せんぱあい私にも見せてください」
1年生も続々と集まる。