小悪魔な君に天使のキスを

☆司side




―「司っ待って!!どこ行くのっ」

そんな声が聞こえた。

遠くで。


「沙夜っ!」

必死で返事をする。


―沙夜はどこ??




「司ー?おまえ大丈夫か?寝ぼけんなよなー」

体を起こすと、目の前には優雅に本を読む優。


夢か、さっきのは。


「おまえなー。ここ、俺の部屋だよ」

そう言って優の隣りに行く。


…優はこうやってると、本当に真面目な優等生だよなー。


「いいだろ、別に」

足を組みなおして、本を閉じてにやっと笑う優。

…不良の優だ。



「おまえさ、夢にまで沙夜ちゃん出るわけ?」

「…そういう優はどうなんだよ」

「おかげさまで邪魔なやつは消したんで」

「え?」

…邪魔なやつ?

消した?

「なんかメイにまとわりつくやつがいてさー。ま、消えたからいーんだけど」

呆れた。

< 102 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop