小悪魔な君に天使のキスを
☆司side
―「司っ待って!!どこ行くのっ」
そんな声が聞こえた。
遠くで。
「沙夜っ!」
必死で返事をする。
―沙夜はどこ??
「司ー?おまえ大丈夫か?寝ぼけんなよなー」
体を起こすと、目の前には優雅に本を読む優。
夢か、さっきのは。
「おまえなー。ここ、俺の部屋だよ」
そう言って優の隣りに行く。
…優はこうやってると、本当に真面目な優等生だよなー。
「いいだろ、別に」
足を組みなおして、本を閉じてにやっと笑う優。
…不良の優だ。
「おまえさ、夢にまで沙夜ちゃん出るわけ?」
「…そういう優はどうなんだよ」
「おかげさまで邪魔なやつは消したんで」
「え?」
…邪魔なやつ?
消した?
「なんかメイにまとわりつくやつがいてさー。ま、消えたからいーんだけど」
呆れた。