小悪魔な君に天使のキスを
*3―過去*

★沙夜side


中2の春だった。

ずーっと女子校で、恋なんかしたことなかったぁたし。

そんなぁたしが、初めて恋に落ちた。

「ぇっ中止!?」

『ぅん!!ごめん沙夜ーっ!!妃奈が風邪引いちゃってさー。ほら、妃奈って自分が行かないと愚痴るタイプでしょ。だからゃめょっかって、、、』

「ぁー、、」


川崎 妃奈は、女子のリーダー的存在。

家がばかでかい、大企業の社長令嬢。

ぅちの学校はそこそこのお嬢様校だけど、川崎妃奈は別格だった。

親も先生も“川崎”の名前には頭が上がらず、娘もいばりちらしてる、というわけで。

最近はイケメンな彼氏が出来たとかって騒いでたけど、金目当てだろって専らの噂だ。

当然、自分勝手でわがままな彼女を好きな者などいないのだが。

「、、楽しみにしてたのになぁ、、Disney、、」

『ま、しょうがないって。じゃね。』

と言って電話が切れた。

せっかく今日はまる1日あけたのにな、、、

外を見ると、雲1つ無い青空。

「たまには散歩でもしょうかな、、」

と思ってケータイだけコートに突っ込んで外に出た。

春の暖かな陽気。

こんな中、Disneyにいれたら最高だったのに、、

なんてまだ引きずっていると、

「ねぇねぇっ」

と声をかけられた。

「え?」




振り向くと

いかにもチャラそう男の人が数人、立っていた。


「今1人でしょ?俺らと遊ばないっ?」

「ぇ、、ごめんなさぃ、ぁたしちょっと急いでるんで、、!!」


そう言って振り切ろうとしたけど

「嘘でしょ、全然急いでるようには見えなかったけど?」

男はぁたしの腕をつかんで離さない。

「ぁの、、はなして、、」

「だからぁ、一緒に来いっつってんの」

もうさっきまでの軽い感じはなくて、逃げ出せなくなった。

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