小悪魔な君に天使のキスを
☆メイside
―バタン
沙夜の部屋から戻って、静かな自分の部屋に入る。
過去の恋愛、か、、。
正直、沙夜が羨ましい。
過去の悲しい恋愛を話すことができるんだもん。
メイの過去の恋愛も、悲しいものだけど、沙夜よりも莫大じゃない。
、、それでも、メイは誰かに話す、なんてできない。
沙夜の話しを聞いてよかったな、って思う、、。
あれは、メイが小6の頃かな…
小5の最後で、メイには、女性だと言うことを絶対的にするもの、つまり、生理が訪れたんだ。
周りからすると早い方で。
誰にも言いたくないことだった。
小6のメイは、放課後に毎日、近所のみんなと遊んでた。
特に仲がいいのは、中3の近所のお兄ちゃんだった。
前月よりも5日も早い、、とか思いながらも、公園のトイレを出ると、お兄ちゃんはメイが大好きな笑顔で微笑んだ。
「トイレ?遅かったね。大丈夫?」
「大丈夫だよ☆」
メイは、お兄ちゃんに、少なからず小学生なりの恋心を抱いていた。
「そう。ならいいんだけど、ね」
そう言って笑うお兄ちゃんの笑顔が大好きで。
お兄ちゃんの優しさも、たまに意地悪な笑顔も、全部大好きだった。
お兄ちゃんは、近所の中でも人気者だった。