小悪魔な君に天使のキスを
メイにその月のアレが来てから2週間後。
とっくに終わってて。
近所のみんなで遊んで、帰りに普通に公園のトイレを使った。
みんな、もう帰ってるものだと思ってたのに、トイレを出ると、お兄ちゃんがいた。
「お兄ちゃん!」
「…メイ、待ってたんだ。帰ろっか」
その日のお兄ちゃんの笑顔も、いつもと変わらなかった。
「うん☆」
家に帰るまでの間だけ、お兄ちゃんを1人占めできる、、なんてウキウキしながら、お兄ちゃんの隣りを歩いた。
お兄ちゃんの家に着いて、少し歩いた所にメイの家が見える。
「今、俺の親、いないんだよね。上がっていきなよ」
「うん☆」
お兄ちゃんと遊んでた、、って言えばメイの両親も心配しない。
って言っても、メイの両親は、基本、メイの心配なんてしないんだけどね。
お兄ちゃんといられる時間が、お兄ちゃんを1人占めできる時間が、ちょっと増えた、、なんて、そんな風にしか思ってなかった。
「どうぞ♪」
お兄ちゃんは、メイが家に入ると、すぐにお兄ちゃんの部屋に入れた。
「、、お兄ちゃん?」
お兄ちゃんの部屋に入ると、お兄ちゃんの表情が崩れた。
メイが大好きな笑顔は、もう、そこにはなかった。
「…メイ、もう始まってたんだな。言ってくれればよかったのに」
そう言って、メイをベッドに寝かせた。
わけがわからなかった。