小悪魔な君に天使のキスを

メイにその月のアレが来てから2週間後。

とっくに終わってて。


近所のみんなで遊んで、帰りに普通に公園のトイレを使った。

みんな、もう帰ってるものだと思ってたのに、トイレを出ると、お兄ちゃんがいた。

「お兄ちゃん!」

「…メイ、待ってたんだ。帰ろっか」

その日のお兄ちゃんの笑顔も、いつもと変わらなかった。

「うん☆」

家に帰るまでの間だけ、お兄ちゃんを1人占めできる、、なんてウキウキしながら、お兄ちゃんの隣りを歩いた。


お兄ちゃんの家に着いて、少し歩いた所にメイの家が見える。

「今、俺の親、いないんだよね。上がっていきなよ」

「うん☆」

お兄ちゃんと遊んでた、、って言えばメイの両親も心配しない。

って言っても、メイの両親は、基本、メイの心配なんてしないんだけどね。


お兄ちゃんといられる時間が、お兄ちゃんを1人占めできる時間が、ちょっと増えた、、なんて、そんな風にしか思ってなかった。

「どうぞ♪」

お兄ちゃんは、メイが家に入ると、すぐにお兄ちゃんの部屋に入れた。

「、、お兄ちゃん?」


お兄ちゃんの部屋に入ると、お兄ちゃんの表情が崩れた。

メイが大好きな笑顔は、もう、そこにはなかった。

「…メイ、もう始まってたんだな。言ってくれればよかったのに」

そう言って、メイをベッドに寝かせた。

わけがわからなかった。

< 41 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop