小悪魔な君に天使のキスを
☆司side
学校を終えて寮に戻った俺は、さっきから同じことばかり考えている。
文化祭は2週間後。
クラスの出し物は午前・午後で交代するようになってる。
俺は午前担当で、こっそり確認したら沙夜も午前担当だった。
ということは、
午後は一緒に回れるってことだ。
ここんとこ沙夜と気まずい状態が続いてる。
それは俺が沙夜に甘えて困らせることを言っちゃったから。
だから、俺がなんとかしなきゃいけない。
いや、
そんな難しいことじゃない。
本当は俺のわがままなんだ。
“沙夜の笑顔を、もう一度俺に向けてほしい”
―ただ、それだけ。