小悪魔な君に天使のキスを

「ゆっ、優くんっっ!!」


「は?おまえ誰だよ」

「メイは俺のだから」

…っ、、

不謹慎にもドキッと胸がなる。


一瞬だけ、力の抜けたお兄ちゃん。

その手を振り払って、優くんの胸に逃げた。

「泣きすぎだよ、メイ」

優しい優くんの声。

やっぱりあったかいね、優くんの胸は。

「俺の女、よくもこんなに泣かせてくれたね」

微笑みながらも、、目が笑ってないよ?


優くんは基本、心からは笑ってくれない。

でも、心から笑う時がある。

例えば、寝てる(ふりしてる)メイの髪を撫でる時。

司くんと再会した時。

いつもは心から笑わないのに、そんな時だけは笑ってくれるんだ。


「チッ」

舌打ちして、走っていくお兄ちゃんは、あまりにもかっこわるすぎた。

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