天国島
翌日には天使も取り敢えず元気になっててよ

やっぱり、ジョギングの時間にはジョギングして

開かずの門の前じゃ、ちょっとビビッたりしたんだけどよ

まあ、日常に帰れたんだな

一応は・・・

もちろん、それまでとは違ってはいたんだけどな

何がどう違ったかって?

毎晩寝る前に、神様にお祈りをするようになってよ

それから、自分の部屋の中で、ほんの1メートルくらいの高さ、ほんの3分くらいの時間だけどよ

飛ぶようになったんだ

ああ、天使は飛ぶ快感が忘れられなくてよ

「自分の部屋以外じゃ飛びませんから、神様赦して下さい」

って懺悔しながら飛んでんだよ・毎晩・パタパタ・パタパタ

なんだかなぁ~・・・・

こう背徳感を伴う快感ってヤツか!

たまんねよなぁ・それ!

逆らえねぇよな・ソイツには!

まあ俺が飲んでるのと似たようなもんかぁ!?(がっははは)

は?なんか表現がエロいって?俺のは病気だろって?

ほっとけ!

人間ってのは、そんなもんなんだよ!

は?相手は天使だろって?

何だよ、天使が人間なみに欲望持っちゃいけねーってか?

そりゃ、天使差別だろ!天使権無視だろ!

って、天使権って何だよ!

(グビッ・キューッ!)

ぷはっ、とくらあ

んでよ、それから一週間くらい平穏に過ぎてって

部屋の中だけど、天使はけっこう飛ぶのが上手くなってて

まあ、平穏な時にもナンダカは変化してるもんなんだな

              ☆
その日も皆ジョギングしてたんだ、もちろん天使も

それはいつもと変わらないんだけど

天使は何か変な雰囲気を感じてたんだ・てくてく走りながら

後ろから走ってくる人・前から走ってくる人

みんな、なんだかピリッとした目で天使をチラ見するんだ

でも挨拶はいつもと同じで爽やか元気で

気持ちわりぃよな・そんなの

んで、やっぱり天使も流石に気持ち悪さの頂点で



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