冬のための夢
「俺は、もう模試なんか受けないぜ」

「え、どうして?」

「要は、本番さえよけりゃいいんだろ!」

「忠士・・・」

守は唖然とした。忠士は壊れていのだ。

「いいよ、いいよ、守、まあ精々がんばりな!じゃあな」

忠士はそう言うと教室から出て行った。

守はただ忠士を見ていた。でも同情なんかはしていない。何故なら、自分だって、何時また昔の様にダメな人間に戻る事になるか分からないのだ。
守は机にあるノートや参考書をバッグに入れ自習室へ向かった。
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