冬のための夢

雪子からの電話

守は食事も最近では自炊を始めた。これは、どちらかと言えば雪子の影響であった。

今日の夕方は、蟹缶を使ったパスタだ。麺をゆであげてから、市販のクリームソースで絡め、一缶まるごと、おとしこむ。店で食べるのとは違い、味はともかくにしても腹いっぱいに食べれる事が魅力だ。

食べた後は明日の予習『英文読解』をするつもりだ。目いっぱい勉強すれば自然と11時位には眠くなった。昔の守には考えられない生活だ。

食事を済ませ、食器を洗う。目の前にある用事はさっさと片付ける。しかし、そんな生活を“寂しい”などとは、全く思わなかった。

予備校の教科書を開き、英文をざっと目を通したところで、携帯がブルった。
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