冬のための夢
忠士は、泣きながら笑っていた。

店員に対してのビビリ、何年ぶりかにパンチを受ける。暴力事なんかテレビや映画の世界だと思っていたが、自分の生きている世界にだって存在するのだ!。

たとえ、受験の妨げになる様な事にだって、いやこんな事こそが本当に生きる時に必要な体験なのだ!。

だったら今までの浪人生活は何だったのだろうか?。

無駄ではないはずだ。だけれどもこんな場面ではクソも役には、たたない。でも、今、俺はそれを悟ったんだ。

忠士は今度は声を出して笑ってみた。もしかしたら自分が苦しんでいた事は、他人にとってはどうでもいい事なんだ。

忠士は立ち上がった。
人なんかどうでもいい!
俺は俺の道を行く!

忠士は希望に向かって、歩き出した。

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