冬のための夢
「はあ?」       
雪子は、言葉の意味が呑み込めなかった。
それでも男は巻くし立てる。
          
「よかったら、幸福について仲間たちと話をしてみませんか?
悩みを打ち明け、苦しみを分かちあいましょう!
僕は、人々に幸せと魂の健康を与えるサークルの者なんですけれども」

危ないサークルの人間?
  
「い、いえ、結構です!」
           
雪子は、慌てて教室から飛び出した。

都会はいつだってガードを固くしなければいけないのだ。
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