冬のための夢
以外にも忠士は冷静に答えた。

「こんなの関係ないよ。ここに書いてある真由美なんて、いやしないんだから」

予想外の反応にちょっとむきになる守。
               
「どうしてそんなこと分かるんだよ!」 
    
めずらしく、忠士は困った感じで言った。
          
「どうしてって・・・、だってなあ、こんな汚れたゲーセンでデートするカップルなんているか?これを書いたヤツは一人寂しく、自分をなぐさめるために書いたんだよ」


「おまえ、考え過ぎだよ」 
         
守はあきれて言った。
            
「いや違うね。だって俺が昨日書いたんだもん」

忠士はそう答えた。
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