冬のための夢
駅から飛び出した雪子。

商店街を駆け抜けた。何故なら、止まってはいけないから・・・。

しかし、立ち止まらずにはいられなかった。

立ち止まった先はお洒落な女の子なら絶対に買わない商品ばかりを取り揃えている、閉店セールの張り紙が貼ってあるブテックの前だった。

もっと言えば、どこでもよかったのだ。ただ立ち止まり、そこでやりたい!、この気持ちに負けただけだった。

店頭に置いてあるバーゲンのくすんだ肌色のブラウスに釘付けになる雪子。

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