冬のための夢
そのブラウスに手をかける。握り締める。目を閉じる。胸の鼓動が高鳴る。           
その時、雪子の頭の中には、自分の街での出来事が浮かんでいた。

困り果てた親、先生、そして周りの大人たち。

でも・・・あの時も、それは気持ちのいい事?・・・、でも・・・、

いけない・・・、
         いけない・・・、 
                  いけない!!!


彼女の中にある心のブレーキが作動した。
      
我に帰った雪子は、ブラウスから手を放し、その場を立ち去った。
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