冬のための夢
そんな忠士の友達なんかは、とうの昔にいなくなっていた。


後は親が成功してこの団地から出て行ったものも多かった。
そんな奴らとは口もききたくない!!。
しかし、その気持ちは決して妬みからではない。
この宇宙艦隊から離脱する奴らを忠士は本気で怒っていたのだ。

でも、結果的には一人には変わりない。

守も話し相手がいないから、話をしてやってるだけなのだ。
そうでなければ、あんな田舎者とこの俺がつるむはずがないのだ。
忠士は自分にそう言い聞かせる。

    
パソコンに向かい英単語学習プログラムを打ち込む忠士。       
しかし、十五分もしないうちに学習プログラムを抜き取り、シューテングゲームのソフトを入れ込んだ。

今の操縦レバーはミサイルの爆弾感までも再現してくれる。

ひと時だけの“夢”。
         
おそらく彼の就寝時間は深夜二時を越えるのだろう・・・。
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