冬のための夢
その時、雪子の肩に手がかかった。

「元気、雪子」

振り返るとそこには、クラスメイトの智子が一人で立っていた。

石川智子、系列高校から内進組だ。その中でも彼女は目立っていた。
  
しかし彼女のいいところは、あまり内進組ともつるむでもなく、受験で入ってきた子にも気さくに声をかけてきた。
              
噂ではモデルの仕事もやってるらしい・・・。
相変わらず、ブランド物で身を固めていた。
でもとても似合うので、羨ましいとも思わなかった。

彼女なら許されるのだと雪子にさえ思わせた。


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