冬のための夢
雪子は歩きながら言った。

「前にも言ったでしょう!。興味無いって」

「えっ、以前お会いしました?」

雪子は立ち止まり尋ねた。

「何で私に声をかけるの?。大学歩いている子ならいくらでもいるのに」

男は気味悪い笑みを浮かべ言った。

「なんか・・・、同類って言うか・・・、同じ匂いがしたんですよね」

男はその時だけ、人間の言葉で話した。

しかし、その人間としての言葉こそが、あまりにも残酷な言葉だった。

思わず走り出す雪子。

悔しかった!!

憎かった!!

恥ずかしかった!!

その時、雪子の中にある何かが弾けた。
< 38 / 119 >

この作品をシェア

pagetop