冬のための夢
彼女は電車が到着しても乗らないのだ。

視線もどこか宙に浮いている。

彼女をおいたまま、電車は発車してしまった。

今度は守の乗る電車が来た。

その時彼女はホームの階段を登っていった。駅から出るのか?    
彼女がこの駅から出たところは見たことがなかった。

守は電車に乗ることをやめた。守もホームの階段を駆け登る。

“あの子の後をつけてみよう!”

“好奇心”と“今日一日の出来事”が、守の心を駆り立てたのだ。

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