冬のための夢
女の子の住所、携帯番号、アドレス、全て抑えた。

彼女は意外にもあっさりと教えてくれたのだ。

でも、その目には落胆と恐怖、そして憎悪が宿っていた。

でも、それだけではない感情もあった様にも守は感じた。

しかし、それが言葉にすれば何なのか、解らなかった。

何だっていい!

自分の事を話そう!分かってもらおう!自分の左側に立ってもらおう!

そうだ、一緒に予備校にも来てもらおう!!

自分勝手な妄想だけが守を突き動かしていた。

これで今日は“寂しく”はないのだ。



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