冬のための夢
綻び

忠士の変化

秋は浪人生を一挙に別ける。生き残った者とそうでない者に・・・。

リズムに乗りさえすれば受験シーズンまで規則正しい生活が送れるが、自分から投げてしまうと、本当に辛い。それは死刑を待つ囚人の様でもある。

去年までの守は、その囚人の一人だったけれども今は違う。守は勉強をしていた。

“勉強とは暗記である”こんなシンプルな事に気づくまでに守は何年かかったことだろう・・・。その暗記の仕方こそが勉強の仕方なのだ。参考書など買い揃える必要なんてない。予備校の授業を予習をし、授業に出て分かる点、分からなかった点を整理しノートを執り復習をする。分からない点を完全に覚える。この事をやったら一日なんてあっと言う間に終わってしまう。

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