年下の彼氏

なんだろ‥‥?この本‥。

あたしには難しすぎる本が散らばっている。

いろんな色の本たち。

あたしはそっとその本たちに手を差し伸べる。





「ごめんね−。今ちょっと初仕事なもんだからはしゃいででさ−。」

本を拾いながら話しかけた。

何も言わないのはぶつかったあたしの立場がちょっとね‥。






「……。」

ん?

無反応?



「それにしてもなんか難しい本読んでるね−。どんな本なの?」

「……。」



「君中学生?背大っきいね−!」


「……。」





………………。







ぷちっ(怒りの線が切れる音









「うおおいッ!聞いてんのかよ?!」

強い口調で言った。

あまりにも態度が悪すぎるでしょ!

ちょっとぐらい話してくれたっていいじゃない。




するとさっきまで黙っていた生意気小僧が口を開いた。




「……なんだょ。」

ポケットに手を突っ込んだまま少し頭を傾けて話すそいつはちょっと偉そうに見えた。

でも所詮子供。



うわ、

こいつ見かけによらず

結構低い声だな…。







本を全部拾い集めて差し出した。

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