年下の彼氏
午後の授業に腹が立った。
バイトに行きたくて行きたくてしょうがなかった。
あたしの惚れっぽさを直してくれたのは
まぎれもなく図書館とあいつのおかげ。
それになんだか楽しいっ!
こーなったら、バイトを一生懸命頑張ろうっ!
あの憧れのピッの機械を触らせてもらうために頑張るぞ−!
菜月に新たな野望が出来た。
「じゃ−ねっ!桃子!」
かばんを片手に持ち、
ヨーイドンの勢いで
すぐに教室を出て行ったよう。
桃子が振り向いたが
もう菜月の姿はなかった。
もう少し散っている桜の並木道を通り、
最近できた新しい茶色とうすピンク色をしたレンガのレトロなマンションと
昔からある白い年季のかかったアパートの間の高台への階段を上っていく。
日陰だから肌に当たる風は涼しい。
学校から20分ほど歩いて着く。
目の前にはもうすっかり見慣れた図書館がそびえ立っていた。