年下の彼氏
笹木……孝之…。
あの夢の人物は存在する…?
「あの−?すいません。」
声をかけると本の整理をしていた
浜田さん(浜っち)がくるっとあたしのほうを向いた。
「なあに?菜月ちゃん。仕事の質問かしら?」
浜っちは手についた埃を払うように
ぱんぱんっと手を叩いた。
うわあ−すごいなあ。
あたしは浜っちの手に目線を送った。
長年主婦をやってるだけある。
その手は凛々しく、がっちりしていて
あかぎれ知らずになっていた。
いつも夫がこうだとか
息子がどうだとか、
浜っちと話してると
すごくたのしいっ!
あたしにもう一人のお母さんができたみたいだった。
ここのムードメーカー的な存在。