年下の彼氏
今度は唇ではなく
頭と頭でぶつかり合い!
「どわあっ!」
思いがけず男のような低い声が出て菜月は顔を赤らめた。
しかし見慣れた顔を目にしたとたん、もっと赤らんだ。
そこにはあの悪ガキがいた。
最初は菜月が制服姿だったせいか
悪ガキは菜月だと分からず、
手を貸そうと差しのべたが
気付いたらしく、手をひっこめた。
二人は言葉を話すのを忘れたかのように
過ぎていくのは梅雨の季節の湿った風。
あたしは地面に座ったままだった。
おしりが痛かった。
でも今はおしりを押さえるよりも
顔のほてりをどうにかして冷まそうとする意識しかなかった。