年下の彼氏
「図書館の人……?」
声が聞こえてきたのでびっくりして
頭の中の質問をストップさせた。
彼が歩み寄ってくるので
あたしも少し近付いた。
「う、うん!そう!図書館の人っ!」
あははと笑いながらあたしは髪を触った。
「ぷはっ!」
彼はあたしを目の前にして笑った。
あたしは目をぱちぱちさせていると
「あんたっていつもお気楽笑いだよなっ。」
彼は大きな手で口元を隠しながら笑った。
お気楽笑いって…。
どう受け止めればいいのさ?
むすっとしているあたしを見て彼はまた優しく笑った。
「オレ、ここのマンションに住んでるんだ。今中3だからさ、勉強のために図書館通ってた。」
「でも勉強できるって風には見えないけど?」
あ、失礼なこと言っちゃったかな。
さっと口に手を当てた。
するとまた悪ガキはくすっと笑った。
「オレ、こんなんだけど勉強は結構できるんだぜ?」
あたしはこくこくっと頷いた。
見かけよりも悪ガキじゃないかもしれない。