年下の彼氏
無事に中学生の見学会が終わり、ぼろぼろと体育館から出て行った。

ふうっっと頭を掻いてその場に座った。

桃子は違う片付けがあるとかで先に教室に帰った。

体育館にはあたしと、5・6人の中学生だけになった。



早く出て行ってくれないと鍵が閉められないんだけどな・・・。


先生に体育館の事を任されたあたしは中学生が帰るのを椅子に座って待つことにした。

注意しに行こうと思ったけれどなんだか柄の悪い人たちばかりで止めた。

ぼーっと中学生たちを見ているとやっと帰る気になったようでのろのろとあたしの居る出口のほうに歩み寄ってきた。



んっ?


目をかいてもう一度。

あれ?


近寄ってくる柄の悪い人たちの中に居るのは・・・。

孝之くん?!


へー。こうゆう友達なんだ。意外ー。

感心しながら見ていると、孝之くんの顔が目の前にあった。

「ぶわあっ!!」

変な声が出て両手とも顔の前に突き出した。



「なに驚いてんすか。先輩っ。」

聞きなれない敬語。口元がにかっと開いて、こっちを見てる茶色の瞳。




「なになにー?タカ、お前の先輩?」

柄の悪い人たちが割り込んでくる。

「こんちはっ!俺、ここの学校受けるつもりの松原でっす!」

「俺、健吾。」

みんなが一気に自己紹介してきた。

そんなに悪い人たちじゃないみたい。



「俺、この人を話すことあるから先に帰ってて。」

孝之くんはそういうと、他の人たちの背中を押して帰らせた。

友達はビービー言ってたけど言うとおりに帰っていった。



体育館は静まりかえっていた。
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