年下の彼氏


「ここの高校受けるの?」

聞きたかったこと。

いっしょの高校に行きたい。

体育館にちょっとだけ響いてびくっとした。

息を吸う音でさえ、聞こえてしまいそう。

「………。」




あ、あれ?

あたしなにか嫌なこと言ったかな?

「あっ、孝之くん頭いいらしいじゃんかぁ。だからここの高校よりもっと上狙うんじゃないかなってさ。」

あはははと愛想笑いして話を変えようと思った。

まだ悩んでるってことかな?

触れないほうがいいのかも。



「それより…」
「受けるよ。」

同時に声が重なってドキリとした。

「第2志望はここだよ。すべりどめだけどな!俺頭いいからさ。」

孝之くんもあはははっと笑った。




あれは……

愛想笑い。



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