年下の彼氏
下駄箱に着くと、パラパラと雨が降っていた。
菜月は予備の折りたたみ傘を鞄から取り出して少し小さいそれに入った。
雨が降っているというのに、まだ明るい。
長かった梅雨の時期も終わろうとしていた。
いつものバイトに行く道の逆方向を歩いて行く。
前や後ろには掃除当番だったであろう、うちの学校の生徒がバラバラとあたしと同じように歩いていた。
駅前へは10分ほどで着いた。
綺麗にライトアップされている噴水の前を通り、
例のモニュメントの方に近づいていく。
そこには想像以上のリアルなモニュメントが立っていた。
何かの顔のようになっていて、その唇はものすごーく太かった。
ほんとに両想いになれるのかよ…。
そうツッコミを入れてみた。
「リアル過ぎ……。」
隣で聞こえた声にあたしもですと言おうと傘を少し上げた時、
運命が動いた。