MEMORY♡MELODY
「? 先輩方、どうかしましたか?」
顔が赤いまま、黙ってる俺達を見て、コイツは慌てた。
しかも身長差のおかげで相手は自然と上目使いになる。
コイツと一緒だと、自然に笑える気がする・・・。造りモノじゃなくて、ごく自然の・・・。
コイツとコンクール・・・出たいな・・・。
そう思った俺はこんなことを口走っていた。
「!!あ、大丈夫。ま、そう言う事だから、頑張れ。同じ舞台に立てるといいな♪」
思わず応援していた。今になって思うと、コイツの名前、俺知らね―わ。同じ部の癖に。また今度部長にでも聞いてみるか。
そして、我に返った涼太も・・・。
「頑張れ♪フルートのオヒメサマ♪」
なんて言ってた。名前わかんねぇし、解るまでこいつの事、『ヒメ』って呼んでやろうか。
多分この様子だと、呼ばれた時も顔真っ赤になるんだろうな。そう言う顔をまた見たいと思った俺と涼太だった。
そしてその後、自分のパートに戻る途中、涼太も俺も、さっきの「ヒメ」の笑った顔を思い出して、少し顔が緩んでいた。
「ヒメちゃん、思ってたより可愛いなw」
やっぱり、涼太も同じことを考えてる。
『ヒメ』
俺の心に深く残った、初めてのタイプの女。
とりあえず、同じメンバーになってほしいと、柄にもなく、純粋に思う男2人だった。
*煉side end*