MEMORY♡MELODY
 「あー・・・、顧問のパシり的な?ちょっと各パート回ってるんですけど、居ないと思いますけど1年生居ます?ってか居てくれないと流石に困るんですけど・・・」



 そう言って先輩2人は部屋を見渡す。するとその瞳が私を捉えた。河野先輩が行っておいでと目配せした。



 「あっ、奇跡的に1人だけ来てるじゃん!良かったなー、顧問に怒られずに済んで。な、煉♪」

 「うっせぇ。まぁ、居てくれてよかったけど・・・」




 1年生に何か用でもあるのかな・・・?もしかしてオーディションの事かな?



 「単刀直入に聞くけど、先輩から明後日のオーディションの事聞いた?」

 「今聞きました」

 「そっか。じゃあ話は早いな。当日の話するから、ちょっとこっち来てくれる?」

 「あ、はい!」



 私は河野先輩の方をちらっと見た。
 先輩は私が守宮先輩に恋してる事を知っている数少ない先輩だ。
 だからよく応援してくれる。
 よくからかわれるけど・・・
 今だってほら、

 「守宮君、斎藤君!!話が終わったらフルートのお姫様、ちゃんと返してねー!」



 と、いった。 うぅ・・・私“姫”なんて先輩に呼ばれるけど、可愛くないし、背もちっさいし・・・。姫なんて愛称、似合わないのに・・・。なんていう愛称をつけたんですか・・・先輩・・・



 って、今は話聞いとかなきゃ!!
 私って記憶力も最低だからちゃんと聞いておかないと、すぐ忘れちゃうんだよね・・・。





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