リリック・ラック
話を聞いていた麗ちゃんが口を挟む。
「お前ら中学同じだったんだろ? 城崎は違うのか?」
「沙綾は私立の女子校に通ってたんだよ」
ふうん、って麗ちゃんはさほど興味なさげに呟く。
「人気あるんだけど高嶺の花って感じだから、みんな近寄れないんだよな」
はぁーっと大きく息をついて、恵があたしの両肩をガシッと掴む。
「でかしたぞ、ポチ」
「はぁ?」
「城崎さんに俺を紹介しろ」
キラキラと目を輝かせる恵に、あたしは少したじろぐ。
「良いけど、沙綾は男が苦手なんだよ」
「そういう所もまたイイ!」
よっしゃー!とはしゃぐ恵の横顔に、あたしは小さくため息を吐いた。