リリック・ラック
麗ちゃんの申し出を受けてしまえば楽かもしれないって、思う自分も存在するけれど。
麗ちゃんはきっと、あたしを好きな訳じゃない。
多分あたしが惨めなのを見兼ねて、ボランティアみたいな気持ちだったんだ。
きっと、そう。
あたしは未だ整理しきれない頭を抱えながら、ゆっくりと歩き出す。
恵のこと。
沙綾のこと。
麗ちゃんのこと。
自分の気持ちとだってうまく付き合えていないのに。
ひとの気持ちにまでこんなに悩まされるなんて、考えてもみなかった。
明日はどんな顔をして、皆に会えば良いんだろう。
なんだか気が重い。