リリック・ラック

沙綾とは少し気まずいし、麗ちゃんの言葉に甘えることにした。

だけど麗ちゃんにだって昨日は思い切り泣いてる所を見られて、あんなことも言われてる訳で。

少し意識してしまう。

悶々と気にしてるあたしをよそに、当の麗ちゃんは普段通りしれっとしてる。


いつも、助けてくれるのは麗ちゃんなんだ。

あたしが楽になれる方へ、麗ちゃんが導いてくれる。

麗ちゃんの優しさに甘えっぱなしで申し訳ない気持ちと、有り難い気持ちが入り混じる。



「この週末さぁ」

「うん?」

「ライブ行かね? 近くのライブハウスでツレが演奏すんだって」


週末。
沙綾とワカメはデートの予定だ。

家でじっとしていると、きっと色々考えちゃう。
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