リリック・ラック
ライブは大いに盛り上がり、あたしと麗ちゃんはまた観に来ようって約束した。
麗ちゃんの友達がやってるバンドには、たまーに麗ちゃん自身も参加することがあるんだって。
あたしはそれも是非観たいって言ったけど、麗ちゃんはやめろって軽く睨んだ。
「じゃあね、麗ちゃん」
「またな」
ライブハウスから駅まで戻って、麗ちゃんと別れる。
帰ろうとする麗ちゃんの背中に、あたしは再び声をかけた。
「麗ちゃん!」
銀色の髪を少し揺らして、麗ちゃんが振り向く。
「ありがと!」
そう言ってニッと笑うと、麗ちゃんも同じようにニッと笑い返してくれた。
そして軽く手を上げて、また歩き出した。